チューリッヒ州で自動車の所有にかかる税金
スイス連邦チューリッヒ州で自動車を登録しナンバープレートを受け取っていると、車種(自家用車、貨物自動車、オートバイなど)、排気量と車両総重量に応じて税金が課されます。
日本の自動車税と自動車重量税に相当し、基本的に大きな車ほど税額が大きくなるのは同じですが、チューリッヒでは高級車が割高になるように設定されています。
参考
- 税金の種類>自動車税(東京都)
- 自動車重量税額について(国土交通省)
- 3.5t未満の乗用車に対する自動車税(チューリッヒ州)
以下のチャートは、2020年の税額を 1 CHF = 110 JPY の為替レートで描いたものです。
自動車税
日本では低排気量の小型車でも最低29,500円で、また排気量が増えても税額の上昇はなだらかなのに対して、チューリッヒでは排気量1,200cc未満の小型車は CHF 69.00(約7,600円)と低く抑えられているのに対して、排気量が大きくなると急激に税額が増えます。
特に排気量2,500ccに大きなギャップがあり、この先は税金がぐっと高くなります。今だと排気量の目安はコンパクトカーで1,500cc、ファミリーカーで2,000cc、大人4人が乗って高速道路を走る場合でも2,500ccあれば十分なので、その上のクラスになると高級車・高性能スポーツカーです(ターボエンジンの場合にはさらに小排気量で十分です)。
日本と同様にエコカーには減税がありますが、基準が厳しく、通常のエンジンを搭載した車両では達成困難です。電気自動車もしくはプラグインハイブリッド車向け。
自動車重量税
自動車税と同様に、日本では重量が増えるに従ってなだらかに税額が上がっていくのに対し、チューリッヒは車両総重量 2,200kg を超えると急激に税額が増えます。
高級車は同じサイズの車でも重くなる傾向があります。大人4人が乗って快適に移動できるクラスの車だと、たとえばマツダのアテンザワゴン XD Lパッケージ (4WD) で1,965kgですが、高級車の BMW 530d xDrive だと 2,530kg になります。
車両総重量 2,200kg は定員5名以下の乗用車というカテゴリで、大衆車と高級車を区切る目安ですね。
納税方法
新車購入時には、年末までの税金を支払います。自動車を登録しナンバープレートを受け取ると、後日、州の交通局から請求書が送られてきます。
自動車を既に保有している場合、1月3日時点での保有者が1年分の税金を支払う義務があります。前年の10月末〜11月頭にかけて、その時点での保有者に対して請求書が送られてきます。
e-Bill という電子請求書システムに登録しておくと交通局からの請求書がオンラインバンキングシステムに直接届き、システム上で承認すると、1月3日付けで振込を行うように送金予約がされます。
Abgabe, Steuer それとも Gebühr?
ドイツ語では税金は Steuer ですが(例:所得税 Einkommensteuer, 消費税: Mehrwertsteuer)、チューリッヒ州では自動車税・自動車重量税は Steuer ではなく Abgabe、特にこの場合は Verkehersabgabe と呼びます。
Steuer と Abgabe の違いですが、ドイツ語では租税公課全般を Abgabe と呼び、その中でも特に国・地方自治体に納める税金のみを Steuer と呼びます。
自動車税は州交通局 (Strassenverkehrsamt) に納めるので Steuer でも良さそうなものですが、 Verkehersabgabe と呼ばれています。一方で、船舶の所有にかかる税金は Schiffssteuer (船 Schiff + 税 Steuer) です。
現在を基準とする相対日時表現
日本語
子供の日本語の宿題を手伝っていて、日時を表す日本語の表現は意外と複雑な事に気づきました。
今を基準として、それより2単位前、1単位前、1単位後、2単位後でそれぞれ特別な名前がついています。
たとえば「月」と「週」だと今を表すのは「今月」「今週」ですが、1つ次は「来月」「来週」で1つ前は「先月」「先週」と、それぞれ決まった文字が頭につきます。表にすると、この通り。
| 単位 | -2 | -1 | 0 | +1 | +2 |
|---|---|---|---|---|---|
| 週 | 先々 | 先 | 今 | 来 | 再来 |
| 月 | 先々 | 先 | 今 | 来 | 再来 |
ここまでは、規則的ですね。
しかし次に「年」を考えると、「今年」「来年」「再来年」は同じルールだけど、昔のほうは「去年」「一昨年」と、ルールに当てはまらなくなる。発音も「週」「月」は常に「しゅう」「げつ」だったのに対して、「年」は「ねん」と「とし」になる場合がある。
| 単位 | -2 | -1 | 0 | +1 | +2 |
|---|---|---|---|---|---|
| 週 | 先々 せんせんしゅう | 先 せんしゅう | 今 こんしゅう | 来 らいしゅう | 再来 さらいしゅう |
| 月 | 先々 せんせんげつ | 先 せんげつ | 今 こんげつ | 来 らいげつ | 再来 さらいげつ |
| 年 | 一昨 おととし | 去 きょねん | 今 こ とし | 来 らいねん | 再来 さらいねん |
さらにひどいのが「日」で、頭につく文字も他と異なり、読みも特殊。
-2 だけは「一昨日(おととい)」「一昨年(おととし)」で共通しています。大辞泉によると「一昨日(おととい)」は「遠つ日(おとつひ)」、「一昨年」は「遠年(おちとし)」の音変化らしいので、元からあった言葉に、後から漢字表記だけ当てはめたんでしょうね。
注意が必要なのが「先日」。多くのケースで「先」は -1 を意味しますが、「先日」は特殊で数日前を意味します。
ドイツ語 bereit の使い方
用法
ドイツ語の bereit を「準備ができている」という意味で使う場合。
zu 不定詞
- Ich bin (schon) bereit zu gehen.
私は出発する準備できている。
für + Akkusativ
- In bin bereit für die Reise.
私は旅行の準備ができている。 - Ich bin bereit für den Sommer.
夏への準備が出来ている。
zu + Dativ
基本的には名詞と組み合わせる場合には für + Akkusativ ですが、名詞の中でも「出発する」といった直接的な動作・状態変化を表すものに対しては zu + Dativ も使われることがあります。
- Wir sind bereit zur Abfahrt. / Wir sind bereit für die Abfahrt.
(鉄道会社が自社の電車について)発進できる状況になっています。
個人的な発見
初めて見かけた例文が zu + Dativ だったので、これが普通かと思って覚えていたら、むしろ例外ケースでした。
なお、一般には zu + Dativ を組み合わせると bereit の意味が「準備ができた」という客観的な状態ではなく、「進んで何かをする、喜んで〜するつもりがある」といった意思の表明に変わります。
- Ich bin bereit zur Aussage vor dem Gericht.
私は法廷で喜んで証言するつもりだ。 - Wir sind dazu bereit, Ihr neues Auto zu finanzieren.
(自動車購入希望者に対して)喜んで新車ローンを提供いたします。
ドイツ語学習 2019年夏
引き続き、授業では出版社 Schubert が出している Erkundungen: Deutsch als Fremdsprache を使っています。B2, C1 と終わって C2 が第7章。
C1 レベルの読解・文法問題を解いてみると6〜7割は正解できるので、選択形式の試験ならギリギリ合格点をとれそう(Telc の試験だと6割で合格)。ただし6割ということは、文章の意味を4割は取り違えているということで、まだまだ。また、辞書を使わずにある程度の分量の文章を書こうとすると、言い回しが不自然になったり細かいスペルミスが多いので、筆記は訓練が必要。
必要項目は一通り学習したので、今後はしばらく文法・作文に集中的に時間を割いて、理解が甘い部分を潰して精度を上げる予定。単に意思疎通できるレベルではなく、限られた時間で自然な文章を作れるようにする。
読解に関しては、分野によってはドイツ語で書かれた記事を流し読みできるようになったので、空いた時間でニュースやオンラインで見つけた記事を読む。
Ist es ein Vogel oder doch nur ein “M”? Diese Bedeutung steckt im Mazda-Logo
鳥、それともただの “M”? マツダのロゴに隠された意味
今だと、このぐらいの記事が短時間で読むには丁度良いです。
あとは子供が図書館で借りてきた本を一緒に読む。児童書は文章の構成や話の展開は見通しやすいけれど、語彙が大人向けの記事とは大分違うので別の意味で意味で難しい。高度な抽象名詞や専門用語などは出てこない代わりに、身の回りで見られるものの名前、感情や様態を表す形容詞・動詞のバリエーションが豊富。
たとえば……
- アブラムシ die Blattlaus
- 樹皮 die Baumrinde
- (鳥が)ぴょんぴょんと跳ねる hüpfen
- (油がフライパンの中で)ジュージューという zischen
大人向けの語学学習の教材は仕事や大学生活を想定してい書かれていることが多いので、出てこない種類の単語です。
日本語は擬態語が豊富ですが、ドイツ語も無いわけではないんですね。鳥がぴょんぴょんと跳ねながら歩いている絵の隣に hüpft, hüpft, hüpft…. と書かれていたのですが、これは日本語で「ぴょんぴょん」と書くのに近い。跳ねる時に実際に hüpft(ヒュップフ)と音がするわけではないけれど、繰り返して hüpft, hüpft, hüpft(ヒュップフ ヒュップフ ヒュップフ)と言うと、なんとなく動きのイメージが湧いてくる。
調べてたら オノマトペ〈擬音語・擬態語〉和独小辞典 という書籍を見つけました。これは面白そう。
ドイツ語 telc B1 受験
スイス定住許可 (Niederlassungsbewilligung) 申請の準備として、ドイツ語の資格検定試験を受けてきました。
チューリッヒ州在住の日本人は5年間連続して滞在し、かつ一定の条件を満たすと定住許可を申請できますが、その条件の一つが語学力。州が認めるドイツ語検定試験で中級程度 (CEFR B1 レベル) のドイツ語能力を証明する必要があります。私は今年の末でスイス滞在5年になるので、そこで滞在資格を現在の初期滞在許可 (Aufenthaltsbewilligung) から定住許可に切り替えようと考えています。
チューリッヒ州が認める検定試験は何種類かあり、私が受験したのはドイツの公益法人 telc が各地のドイツ語学校に委託して行っている試験です。
これは実施箇所が多く試験料も比較的安いのですが、手続きに時間がかかります。申込締切は試験日の1ヶ月以上前、試験結果の確定・証明書の発行には5〜6週間かかります。また受験の申込みには telc は関知せず、受験者が語学学校に直接申し込む形になります。したがって、語学学校を探すところから始めて証明書を入手するまでに3ヶ月は見込んでおく必要があります。
テスト内容は開示禁止ということで触れませんが、形式に関してはtelc が公開している模擬試験そのままでした。たとえばリスニング問題では1問目は1度しか聞けないが、2問目と3問目は2度放送されるといった点まで同じなので、事前に模擬試験を解いておくと実際の試験の際に問題文を読む手間が省けます。
なお telc の試験は費用が一律ではなく、語学学校が独自に設定できます。チューリッヒ州では 240 CHF 前後が一般的なところ、ドイツだと 120 EUR 程度に設定している学校が多く、交通費を考えてもドイツで受験したほうが安価です。
追記
受験後、約6週間後に試験結果が郵送されてきました。無事合格。
子どもと日本語
外国で子どもを育てていると、子どもに日本語をどこまで勉強させるべきか、また自分はどこまで現地語を勉強するべきかを意識させられます。
私が住んでいるスイス・チューリッヒ州では、現地の人はドイツ語の方言であるスイスドイツ語 (Schweizerdeutsch) を話し、書き言葉や教育の現場では標準ドイツ語 (Hochdeutsch) が使われ、またドイツ語を母語としない人とは英語でやり取りすることが多いです。
子どもが小さく親と過ごす時間が長い間は親の母語である日本語が強くなり、親との会話や日本語を話す子ども同士の会話は日本語になります。しかし初等教育が始まると、日本語よりもスイスドイツ語に触れる時間の方が多くなり、また学習も標準ドイツ語で行われるために、限られた日常生活の場面でのみ使用される日本語よりもドイツ語の方が次第に強くなってきます。家庭でも兄弟同士が現地語で話し始めたり、親への返事もドイツ語の単語が混ざったり。
この状況下で日本語を維持するためには、親も子どももそれなりの時間と労力を費やす必要がありますが、現地校での生活が忙しくなってくるに従い徐々に疑問が湧いてきます。
日本語の学習に時間を割くより、現地語を母国語とする子どもと比べると相対的に弱くなりがちな現地語の習得に時間を割くべきではないか?
日本語習得のために投資をすると決めたのであれば、何を目標に、どのように日本語を学ぶべきなのか?
このような疑問に対して、第二言語習得・バイリンガル教育の専門家の立場から過去の研究成果と理論をコンパクトにまとめ、言語形成期の子どもを持つ親向けのアドバイスとして紹介しているのが「言葉と教育 海外で子どもを育てている保護者のみなさまへ」。
大人が外国語を学ぶ場合と異なり、子どもが言語を学ぶ際には単語そのものの意味(熱いとはどういこと?)も学習し、またその言語を使って、より高度な概念や論理的思考力を組み立てていく必要があります。その際に親が自信をもって使える言葉で会話することは、子供の学習を助け、また子供の理解の程度を細かく把握できることに繋がります。
加えて親との意思疎通がスムーズに行えることは精神衛生上も重要で、ここでも親の母語を使えることは大きなアドバンテージになります。子どもが大きくなってくると、言葉の表面的な意味だけでなく、そこに込められたニュアンスや裏の意味も理解する必要がありますが、これは母語でないと誤解が生じがち。
子育てや教育に関しては実体験に基づく話を耳にする機会も多いですが、本を読んでいると状況は千差万別なことに気づきます。子どもの年齢、両親の母語、日本への帰国の可能性、また現地校におけるサポートの有無など、様々な要因によって適切な対処方法は変わってくる。海外で子育てを行う人には、ぜひ読んで欲しい一冊。
同じ著者による、より広範な研究成果をまとめた書籍が「完全改訂版 バイリンガル教育の方法」。こちらは言語形成期の子どもがいる海外在住者だけでなく、日本における子どもの外国語教育や外国人児童の受け入れなどもカバーし、またアドバイスの背景にあるデータや研究成果にも詳しく触れています。

